北京オリンピック(五輪)の混合団体決勝で高梨沙羅がスーツの規約違反で失格となったニュースが話題になっています。
なぜこんなことが起こってしまったのか?調査してみました!
高梨沙羅を襲った悲劇!スーツ規約違反の概要
まずはスーツ規約違反の概要をみていきましょう
日本代表は高梨沙羅(25)が先陣を切り、1回目で103メートルの大ジャンプ。124・5点で、納得の笑顔を見せた。第1グループでスロベニアに次ぐ2位につけたと思われたが、直後にスーツの規定違反で失格と判定された。(中略)ドイツとオーストリアもスーツの規定違反で失格となり、日本は8位で2回目に進んだ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/eec7397300d871b2d1e3a281ec032b2f7cdba6e8
ジャンプが成功し、2位につけたにも関わらず直後にスーツ規約違反で失格となるのは悲しすぎます。
高梨沙羅選手の気持ちを思うと胸が痛みます・・。
ここで疑問になるのが
なぜジャンプする前にスーツが規約違反になってしまうことがわからなかったのか?
ということです。
国際スキー連盟(FIS)の規則では、
「直立姿勢で、スーツ寸法はボディーと一致しなければならず、最大許容差はスーツのあらゆる部分において、ボディーに対しプラス1センチ~3センチ(女子は同2センチ~4センチ)とする」と決められている。
引用元:https://www.nikkansports.com/olympic/beijing2022/ski_jump/news/202202070001182.html
シーズンの初めに計測を行い数値を提出するため、体重の変化などで誤差が出てくるケースは珍しいことではないそう。
スーツがジャストサイズじゃないといわゆる”モモンガ”のような状態になり風力が増してしまうためこのような細かいルールが定められているそう。
ジャンプは浮力を味方につけ、遠くに飛ぶことを目指すスポーツ。スーツには空気を通す透過率についても規定があるが、選手はルールの中でなるべく風を体に受けたいと考える。W杯を転戦する高梨クラスだと、年間約20着を使用し、常にベストの状態のスーツで試合に臨んでいる。
引用元:https://www.nikkansports.com/olympic/beijing2022/ski_jump/news/202202070001190.html
高梨沙羅選手ともなればメーカーもかなり力を入れているでしょうから20着のスーツを用意しているのは納得です。
なぜ事前に避けることができなかったのか?
スキージャンプのスーツは選手の体型に合わせて細かく調整して作られており、規約に違反しない範囲でジャンプが有利になるように作られているはずです。
にも関わらずなぜ規約違反を事前に避けることができなかったのでしょうか?
長野五輪団体金メダリストの斎藤浩哉さんによると、規定に抵触することが多いのは股下部分。いかに揚力を得られるかが鍵を握るジャンプ競技では、スーツの股下が1センチ下がっただけで飛距離が伸びる。
引用元:https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2022/20210309-OYT8T50054/
スキージャンプは競技前に全員が厳密に計測するそうですが、着方によって縫い目の位置がずれることもあり、競技後にわずかな差で引っかかることもあるそう。
着方で変わってしまうなんて・・かなり厳しい基準ですね。
1998年長野五輪当時はダボダボのスーツで飛んでいたが、2003年に全ての部分で体の数値プラス6センチ以内に制限され、現在は男子はプラス1~3センチ、女子は2~4センチとさらにピチピチになった。
引用元:https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2022/20210309-OYT8T50054/
スーツを何度も着ているうちに生地が伸びて空気を通しすぎるようになり、揚力が得にくくなるため試技と本番でスーツを替える選手は多いと言います。
長い遠征では体のサイズが変わってしまうこともあり、トップ選手は何枚もスーツを用意し自らミシンを使ってスーツのサイズを調整することもあるそう。
ここまでスーツにもこだわってギリギリを勝負しているとは・・
1センチ単位で結果が大きく変わってしまう世界ではこのスーツについての規約も仕方がないのでしょうね。
スーツの着方で変わってしまうならそんな選手でも100%避けることは難しいのかもしれません。
この反省を踏まえ、高梨沙羅選手の今後に期待です。
今回の悔しさもきっと次に繋げてくれることでしょう。
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